小野寺美佐子さん

「食の都庄内」を支える庄内人 vol.5


やさいの荘の家庭料理 菜ぁ

女将

小野寺美佐子さん



無農薬・無科学肥料で米・野菜を作り続けている小野寺さん。
農家レストラン「菜ぁ」には、そんな旬野菜をたっぷり使ったお袋の味が並びます。
小野寺さんの農業の原点は、「子どもに安全・安心・おいしいものを食べさせたい」という母ごころ。
そんな小野寺さんの「食」に対する思いを伺いました。

大切にしたい 野菜そのもののおいしさとさりげないおもてなしの心
―「菜ぁ」には、県外からもたくさんの方が訪れているそうですね。みなさん、「菜ぁ」のどんなところに一番魅力を感じているんでしょうか。
菜ぁの春料理

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「菜ぁ」は今年で6年目になりますが、お陰さまで、東京・大阪・仙台等から、様々な年代の方にお越し頂いています。半分くらいが県外からのお客様です。嬉しいことに、みなさん「お米と野菜がおいしい」と喜んで下さいます。このお店は、「自分達の作った安全な野菜で、体も心も元気になってもらいたい」という思いでスタートし、メニューは、和食を中心としたお袋の味としました。


最初の頃は、お客さんが何を喜んで下さるのか分からず、手探り状態でした。おふくろの味って、地元の人からすると珍しくないし、こんなに素朴な料理を喜んでもらえるのかな、とか、都会の人の口に合うのかな、と迷ったこともありました。でも、実際にお客様の声をきいていく中で、少しずつ今のスタイルが定まってきました。都会からいらっしゃる方は、庄内の郷土料理をとても喜んで下さるんですね。フライトアテンダントの方がいらっしゃった時も、白菜の煮びたしをお出ししたら、とても好評でした。地元の方でも、週に2~3回来てくださる常連さんがいるんですが、その方は、「出張で外食が続いた時、菜ぁの料理を食べると元気になれる」と言って下さるんです。この仕事をしていて一番うれしい瞬間ですね。そんなお客様の声を聞いて、「体も心も喜ぶおふくろの味、というコンセプトは間違ってないな」と確信できるようになりました。

-リピーターの方も多いそうですが、どんなことを楽しみにいらっしゃるんでしょうか。
料理の他、母家とここから見える景色も喜んで下さいます。この母家は120年以上前の建物なんですが、「よくこんなに古い建物が残ってるなぁ」と皆さん驚かれます。「おばあちゃんの家に来たみたい」なんておっしゃる方もいますね。母家からは、遠く広がる庄内平野とその向こうに金峰山、月山がきれいに見えるんですが、四季の移ろいとともに変わる景色を眺めながら、旬のお料理を楽しんで下さっているようです。
私は、ここに来た方に、実家に帰ってきたみたいにのんびりと時間を過ごして頂きたいなぁ、と思っています。ですので、あまり肩肘を張らずに、さりげないおもてなしを心がけています。農業体験でこども達が来ると、大勢の孫が来たみたいな気持ちになりますね。お客様もいろいろと話しかけて下さるので、その交流がとっても楽しいです。私も旅行が好きでいろんなところに行くんですが、旅の思い出って、地元の人との触れ合いだったりするんですね。ふらっと立ち寄ったお店で地元の人とおしゃべりしたり、道が分からない時に親切にしてもらったり。そんな何気ない地元の人との触れ合いが、その土地の印象や思い出として、ずっと残る気がします。だから、「菜ぁ」を訪れた人に「庄内はいいところだったなぁ。また行きたいなぁ。」と思って頂けたら、と思います。そして、庄内を思い出すとき、「菜ぁ」の料理や、ここで過ごした時間も思い出して頂けたらうれしいです。
心と体が豊かになる食文化を守っていきたい
-「食の都庄内」を盛り上げていくのに必要なことは何だと思いますか?
店内
生産者という立場から考えると、農家が元気になることが大事かな、と思います。それには、だだちゃ豆の様な、次なる在来作物を発掘することでしょうか。だだちゃ豆って本当においしい!あれを食べたら他の枝豆が食べられなくなるくらい。全国的に有名になるずっと前から、地元では「おいしい、おいしい」と食べられていたものですよね。そんな「庄内ならでは」のおいしい在来作物を栽培して、農家がちゃんと生活していけたらいいな、と思います。
料理を提供する立場からすると、庄内の食文化である郷土料理、お袋の味を伝えていくことが大切だと思います。郷土料理というのは、地元の旬の食材をおいしく食べるので、栄養的に もとても優れているんですね。それと、心の栄養という側面もあります。「食べること」って、ただ単に空腹を満たすだけのものではないと思っています。作ってくれた家族の無条件の愛情を感じる、とても大切なもの。ですから、「食の豊かなところ」というのは、「食べること」が健康な体や豊かな心を作るものとして、根付いている地域ではないでしょうか。派手さやもの珍しさはないのかもしれませんが、庄内が、そんな「食の原点の残る地域であったら、と思います。そして、それを「菜ぁ」を訪れた方に感じて頂けたら嬉しいですね。


菜ぁ全景

小野寺美佐子さん misako onodera

やさいの荘の家庭料理 菜ぁ 女将

〒997-0006
住所:鶴岡市福田甲41
電話:(0235)25-8694
FAX:(0235)29-2260
営業時間
昼膳/11:30~14:30
夕膳/17:30~21:30
※夕膳、ご宴会はご予約をお願いいたします。

母家は、約120年前の建物を改修したもの。高い天井と黒光りする梁や柱。ここでは時間が静かにゆったり流れます。小野寺さんのあたたかいおもてなしとやわらかな庄内弁に心も和みます。母家から見渡す庄内平野や月山、金峰山は、地元の人でも感動する美しさです。
料理は旬の野菜を使ったメニューで、見た目はシンプルだが食べてびっくり。「野菜ってこんなに甘かったの!」というおいしさに出会えます。それは、「おいしい野菜づくり」と「体と心が喜ぶ料理」にこだわる小野寺さんだから出せるもの。化学調味料を使わない味付けが体にやさしく嬉しいですね。
(取材日:2010年2月)

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