海藤道子さん

「食の都庄内」を支える庄内人 vol.6


焼き菓子工房 Sweet☆みぃ

経営

海藤道子さん



「これ!」と思ったことは、即、行動に移すバイタリティあふれる海藤さん。
「食」の活動の原点は、ご両親のユニークな食育にあったようです。
庄内から遠く離れた北九州市小倉から庄内へ来て10年。
「庄内の食の魅力」について伺いました。

初めは好きになれなかった庄内の冬。 でも、庄内のおいしい食べ物のおかげで、それが魅力に変わりました。
-海藤さんは北九州市小倉のご出身ということですが、県外の方から見た庄内の食の魅力はどんなところでしょうか。
山菜

こちらへ来てまずびっくりしたのは、山菜ときのこの種類の多さと値段の安さです。両親はもう他界してしまいましたが、袋にいっぱいのこごみを送ったのをとても喜んでくれました。「こんなにたくさん!高かっただろう。」って。送料の方が高いぐらいなんですけどね(笑)。私の実家のあたりでは、山菜は高価で、種類も少ない。特に、こごみは料理の上にちょん、とのっているぐらいなんです。そんなこごみをボウルいっぱい胡麻和えにして食べた、と両親が喜んでくれたのを覚えています。
でも、こんな風に庄内と庄内の食材を好きになれるまでには、いろいろ大変でしたよ(笑)。毎日続く冬のどんよりした灰色の空や、どかっと降る雪。私は雪かきをしたことがなかったので、大雪の時には、泣きました。「もう、小倉へ帰る!」と何度言ったことか。でも、ある日、アルケッチァーノの奥田シェフの料理教室で「この雪解け水や冬の寒さが、お米や野菜をおいしくするんだよ」と聞いたんです。そしたら、厳しい冬も、どか雪も有難いものなんだなぁ、と思えるようになりました。そんな風に、奥田シェフをはじめ、地元の方々に色々なことをおしえていただくく中で、庄内の自然と食材の魅力がどんどん分かってきました。気がついたら、「パパ、庄内に連れてきてくれてありがとう」って主人に言っている自分がいました。


当たり前すぎて気付かないものにこそ、魅力とヒントがあるんだと思います。
―庄内を「食の都」として盛り上げていくには、どんなことが必要だと思いますか?
大きく二つあると思います。一つは、地元の人が「普段の当たり前のものが実は、庄内の魅力・宝物なんだ」と気付くことではないでしょうか?最近、庄内はテレビや雑誌などに取り上げられることが多くなって、県外からもたくさんの人が訪れています。そのとき、地元の人が庄内の独特の食材の話や、そのおいしさの理由を観光客に語れるといいですよね。ただ料理を提供するだけ、物を売るだけではなく、その背景やストーリーを話すことで、「庄内の食の魅力」がもっと伝わると思うんです。酒田調理師専門学校の生徒達にも、「だだちゃ豆がおいしい理由や歴史は、ちゃんと語れるようになってね」と言っています。そうやって、庄内の人が観光客をお迎えできたら素敵だなぁと思います。
もう一つは、販売方法の工夫でしょうか。庄内の食材を県外で販売する機会が多いと思うんですが、買う人の立場に立って販売することも大事だと思うんです。例えば、以前、仙台のイベントで農産物を売ったときのこと。なぜか、トマトがなかなか売れなかったんです。理由は、1パック4個入りで売っていたこと。仙台の人達は地下鉄を使うので、重くてかさばるし、潰れるとおっしゃるんです。その後、1パック2個入りにしたら、どんどん売れるようになりました。東京で山菜を売る場合も、そのままではなかなか売れませんが、アク抜きなど下処理をすると売れるのではないでしょうか。ちょっとしたことで売れ行きが変わってくるので、買う人達のライフスタイルを考えた売り方って大切なんだなぁ、と勉強になった出来事でした。
「庄内の食の魅力」を身近なところから発信して庄内ファンの輪が広がっていくといいですね。
―これからやっていきたいことは何ですか?
焼き菓子工房Sweetみぃのお菓子

クリックで拡大します

焼き菓子工房「Sweet☆みぃ」の販売方法の1つに予約・配達スタイルを入れたのは、なかなか出かけられない子育て中のお母さんやおばあちゃんたちもお菓子を食べたいだろうなぁ、と思ったからです。お陰さまで、今年の3月には、工房を新しく構えることができました。ちょっと広くなったので、今後はそこで転勤族の奥さんや親子を対象にした料理教室も開いていこうと思います。地元の食材で料理を作って、庄内の食について楽しく語れたらいいですね。そして、「食の都庄内」のファンになってもらう。その庄内ファンの人達が、転勤で他の土地に行った時、「庄内は、おいしいものがいっぱいあるところだったよー」と紹介してくれる。そうやって、草の根的に庄内ファンが増えていったらいいな、と思います。私がそうさせていただいたように。

私の両親は、「食」に興味を持たせてくれました。特に、父の食育はユニークでした。子供の頃、姉と私はシイタケが嫌いだったんですが、ある日、父にシイタケ狩りに連れていかれました。それを採って網で焼き、醤油をたらして、私に「食べてみろ」と言うんです。恐る恐る食べてみると、シイタケの何とおいしいこと!その顔を見た父は、「そうだろ。うまいだろ。」と満足そうに言っていました。今思うと、我が家の食は、豪華ではなかったけど、楽しくて豊かだったなぁと。父が5才の私に教えてくれたカンタンコーンスープは、今も大切なレシピです。そんな子供の頃の楽しい食の思い出が、今の私の活動の原点になっています。
庄内に来て10年。知れば知るほど、庄内の食は豊かでおもしろい、と感じています。これからも、地域の人たちと出逢って、教えて頂いて、そして、楽しく美味しく食の魅力を発信させていただけたらと思います。

海藤道子さん michiko kaito

焼き菓子工房 Sweet☆みぃ 経営

福岡県北九州市出身

大阪の調理師専門学校卒業後、東京の病院、小中学校の給食の調理師として勤務。平成12年、同じく調理師であるご主人の故郷、鶴岡へ帰郷

焼き菓子工房 Sweet☆みぃ 経営

酒田調理師専門学校 講師(食材論)

「食の都庄内」長期戦略構想策定会議委員

慶応義塾大学先端生命科学研究所 秋山美紀プロジェクト

からだ館 がん情報ステーションにて「からだにやさしい料理教室」企画・講師

ごっつぉコンテスト2009(藤島庁舎主催)金賞受賞

食の大切さを伝える活動として、食育教室を開いている他、出張料理教室なども行っています。
(取材日:2010年3月)
焼き菓子工房Sweetみぃのシフォンケーキ、パウンドケーキ

主に予約注文だが、シフォンケーキやパウンドケーキ等は、週末に「産直館のぞみ店(鶴岡市のぞみ町)」でも販売。季節の野菜や果物を使ったお菓子も人気。


焼き菓子工房 Sweet☆みぃ
問い合わせ
(0235)25-7228
産直館 のぞみ店
住所:鶴岡市のぞみ町8-52
電話:(0235)35-1477
営業時間:9:30~17:30
定休日:年末年始

contents

庄内の食材が食べられるお店
ロゴマークについて