大滝にんじん

庄内のおいしい食材

大滝にんじん

おおたきにんじん

季節「秋」


鶴岡市小真木地区に、ここでしか栽培されていない在来種のニンジンがあります。
色鮮やかで根の部分が30cmと長細い大滝ニンジンは、大滝武さんが選抜を繰り返し作りだした品種で、現在は、大滝小菊さんが1人で栽培しています。嫁いできた頃にはすでに栽培しており、30年前くらいまでは、地元種苗会社へ種を出荷するほどの規模だったそうです。
7月初旬にすじ播きを改良した方法で種播きし、20日程経ってから数回、間引きをするのですが、炎天下での細かい作業は想像以上に大変です。
収穫も、土が特にやわらかくはないので、抜き取りの際に油断するとニンジンが簡単に折れてしまいます。大滝家1軒だけでの栽培になったのは、この栽培の難しさが一因と考えられます。
それでも、「若い頃は不慣れで大変だど思ったどもの、何十年も経つどの、誰さも聞がねども1人ででぎっからおもしぇくての。」と小菊さんから笑みがこぼれます。
全てが自分の肩に掛かってくるけれど、とにかく楽しくて仕方ない。収穫の時はもちろん、一本立ちした時、そして食べておいしい時が何よりも喜びを感じる瞬間です。
このニンジン、風味良く味が濃いというだけではなく、昔ながらの活用方法もあります。風邪をひいたから分けてほしいという人も多く、その際はすりおろして食べるそうです。また、武さんは豪快にたき火で丸ごと焼いて食べていたそうです。驚くような調理法も、大滝ニンジンを知り尽くした人が味わいを引き出すために試行し、行きついた方法なのです。
「自分の代くらいまでは守っていがねまねど思ったんども、あと先のことはわがらねぇ。食て、んめものが、こさあっさげ、ただ、こさっただげ(作っているだけ)だなやの。」と、責務を果たそうとしながらも決して気負わない小菊さん。
市内のレストランから使いたいという要望もあるようですが、御近所のお得意さんにお分けする分が少なくなるので残念ながらお断りしている状況です。
自分の手で栽培することが楽しい、そして何よりも食べておいしいという単純な理由だからこそ栽培され続けている大滝ニンジン。
在来作物が生き残っていくための、「おいしさ」というひとつの条件をクリアし、次は、ニーズに応えられるような「供給」体制ができることが課題です。  この美味しい大滝ニンジンを後世に伝えるため、今日も小菊さんは頑張っています。
大滝にんじん
大滝小菊さん

大滝小菊さん

大滝にんじん



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