庄内のおいしい食材 vol.23

民田なす

みんでんなす

季節「夏」


鶴岡市民田といえば、有名なのが民田なす。昔から地元の人々に親しまれている夏の風物詩として食卓に並ぶほか、漬物やお菓子などのお土産品となり、藤沢周 平作品にも数多く登場しています。しかし、今から8年ほど前、民田なすを民田で栽培していた人は少人数、少量の出荷しかなかったのです。
民田在住の五十嵐一雄さんが、そんな民田なすの危機的状況を知るきっかけは、小学校の先生を務める友人からの一言でした。「自分が担任している子どもた ちに、地元の特産野菜の民田なすの畑を見せてもらいたいんだが・・・」その頃だだちゃ豆の栽培に取り組んでいた五十嵐さんは地元の民田なすの生産者のもと を訪れます。しかし、当時、最大の栽培面積を誇る生産者でもわずか6アール程度しか栽培していませんでした。「さみしいなーと思った。」五十嵐さんは振り 返ります。「これでは子どもたちに民田なすの畑を見せられない。民田なのに、民田なすといえるほどの生産量はなくなってたんだ。」と気がつきました。地元 の危機を感じた五十嵐さんは、真っ先に民田なすの栽培に取り組みました。しかし、民田なすで採算を取ろうと試みると最低でも30アール、約2500本前後 の作付けが必要でした。当時、それほどの大規模な栽培はどこでも行われていなかったため、初めての取り組みになりました。
その頃、時代は『地産地消』の声 が盛んに聞かれはじめ、地元の野菜や在来作物を見直そうとする動きが高まりつつありました。「きっと民田なすはいける・・・」亡くなった祖父が、かつて民 田なすの栽培に一生懸命取り組んでいたことを思い出し、民田なすの力を信じて一からの出発に挑みました。
初めの頃は手探り状態での栽培でしたが、経験を積み重ねるうちに徐々に収穫量も増え始め、今では五十嵐家を代表する作物に成長しました。「土づくりはも ちろん大切だが、適地適作っていうように、民田なすがこの地に定着したわけがわかる気がする。作物に適した風土ってもんがあるんだなー。」畑は金峰街道沿 いにあるため、夏の収穫期には内陸からの海水浴客らの目にとまります。
民田なす

薄皮の丸なす

民田なす畑
民田なすの和からし漬け

民田なすの和からし漬け


作業中、山形ナンバーや県外ナンバーの車が隣にとまり、「これ、民田なす?ちょっと 譲ってもらえませんか?」と知らない人からも声をかけられるようになりました。「民田なすって知ってるんだー、と思うと嬉しい」と五十嵐さんはおっしゃいます。民田なすとともに五十嵐さんも多くのメディアに登場されています。今では「民田の民田なすと言ったらオレかな。」嬉しそうに教えてくださいました。
五十嵐さんは在来作物や食育の推進のため、近くの保育園に畑を貸しています。「子どもたちが畑仕事する景色の中に、民田なすがある。」優しいまなざしが 地域の子どもたちにも向けられています。地元の小学校では民田なすのバケツ栽培に取り組むこともあったそうです。民田なすを通して在来作物の大切さを知ってもらいたい。五十嵐さんは、さらなる技術の向上と民田なすの広がりを思いながら、今年8回目となる民田なすの栽培に取り組みます。
「民田なす」の主な取扱店
百万石の里 しゃきっと
住所:鶴岡市覚岸寺字水上196-1
TEL:(0235)29-9963
営業時間:4109:0018:00/1139:0017:30
定休日:1/11/4

※庄内の各産直、スーパー、小売店でも販売しています。



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