庄内のおいしい食材

刈屋梨

かりやなし

季節「夏」


「同じ梨なのに、味が断然違う」といわれる刈屋梨。刈屋、東村、明成寺などの集落によってなる酒田市豊川地区で明治時代からつくられてきた和梨です。刈屋梨の栽培が始まったのは、今から約100年以上前のこと。鳥海山から流れ下る日向川と荒瀬川が合流するこの場所に明治30年頃、長十郎が植えられたと伝えられています。以来、地区の人たちは情熱をもって梨づくりに取り組み、その味に対する地元での絶大な信頼を得てきました。現在、刈屋梨出荷組合の組合員は44名。約34haの梨畑が川に沿って広がり、春には白い花がいっせいに咲き誇ります。
豊川地区で長くつくられてきた梨は長十郎でしたが、昭和50年代からは幸水・豊水・新水の三水へと栽培主力が移ってゆきました。そのなかでも、全国的にみても和梨生産の4割近くを占める幸水、そして豊水が刈屋梨の主力品種となっています。幸水は甘くジューシーでさくっとした歯触りの良さが特徴。とても息の長い品種で梨の終着点ともいわれ、今のところこれに代わる梨は現われていません。幸水の後に収穫される豊水は幸水に比べるとやや酸味が感じられますが逆にその酸味を愛するファンも多いそうです。
他の産地の梨と糖度にほとんど同じだけれど、食べると甘さが全く違う刈屋梨。その味の秘密は日向川、荒瀬川が氾濫を繰り返したために肥沃になった土地、いつでも西風が吹いているという環境などにあるといわれていますが、なにより大切なのは、作り手の心。梨の栽培にはかなりの手間が必要です。10~11月頃からの剪定に始まり、年が明ければ整枝、摘蕾、花粉交配、消毒、摘果、草刈り、新梢管理、支柱や防虫ネットの管理、そして8月中旬から始まる収穫と、年間を通して作業に終わりはありません。けれども栽培農家の人たちは、消費者から高い評価を得ている刈屋梨だけに、その期待に応えなければと、気持ちをひとつにして日々の作業に取り組んでいます。
刈屋梨 看板

収穫量がそれほど多くはないために、全国ブランドになってはいないけれども、一度食べた人はその味に惚れ込んで必ず二度、三度と買い求めてくれるという刈屋梨。収穫の季節になると豊川地区のいたる所に直売所が設けられ、万年雪をたたえる鳥海山を背景に爽やかな風に揺れる幟旗に誘われるように、大勢の人たちが集まって、採れたて極上の梨を次々と買い求めてゆきます。
刈屋梨の収穫風景

 
 



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