彦太郎糯

庄内のおいしい食材 

彦太郎糯

ひこたろうもち

季節「秋」


2006年、遊佐町でかつて多く栽培されながらも途絶えていた“彦太郎糯(ひこたろうもち)”の復活を願って若手農家のチャレンジが始まりました。彦太郎糯は遊佐町富岡の農家だった常田彦吉氏が大正13年に「山寺糯」という品種から選抜し、4年の年月をかけて固定させた、生粋の遊佐町生まれのもち米です。
彦太郎糯という名前は、常田家の屋号に由来して付けられました。耐寒性が極めて強く、病害虫には複合的な抵抗性があるといわれています。昭和30年代までは多く作られていましたが、背丈が高いため倒れやすく、栽培管理が難しかったことや、コンバインなどの機械作業に不向きであったことで、次第に栽培する農家も減ってきました。しかし、食味が良いことや、丈の長いわらは俵などのわら製品に重宝されていたため、一部の農家が細々と栽培を続けていました。
近年、わずかに残っていた種籾から、少しずつ作付けを増やしてきた生産グループが“有限責任事業組合ままくぅ”です。メンバーは20~30代の3名。地元の活性化と共に彦太郎糯の知名度向上と販路の拡大に取り組んでいます。
当初、実物を見たことも、食べたこともなかった3人でしたが、遊佐町発祥の品種である彦太郎糯を後世に伝えていきたいという思いが日増しに強くなり、栽培を続けるに至っています。
ところが、実際に栽培が始まると、一般的な稲の丈よりも50cm以上も長い彦太郎糯は、倒伏しやすく、コンバインなどの大型機械での収穫に適さないという難点がありました。しかし、「ままくぅ」ではそれを逆手に取り、一株一株バインダーで収穫し、天日乾燥させることにより、高品質化による付加価値を高めています。また、それにより様々な可能性も見えてきました。
彦太郎糯の田んぼ

彦太郎糯 生産者
彦太郎糯

それ以来、「ままくぅ」では彦太郎糯という他にはない品種で、そのおいしさを多くの人に伝えようと、様々なイベントを企画したり参加したりしてきました。なによりの魅力は風味豊かな香りとコクです。また、一般のもちと違ってお雑煮に入れても煮崩れしにくいという特徴もあります。初めての収穫の際は、町内で餅つき会を企画し、無料で振る舞ったこともありました。その他アイディア一杯のイベントの企画に、彦太郎糯の知名度は確実にアップしています。食の都親善大使のシェフも参加した“17人の遊佐ごはん”では、他の品種のコメと共に、さまざまなメニューが考案され、コメの新しい可能性と認知度アップにつながりました。
遊佐町には国重要無形民俗文化財であるアマハゲという新年の伝統行事があります。有名な秋田県男鹿市のなまはげと似ていて、鬼のような面をかぶった大人が「あー、あー」と奇声をあげながら集落の家々を回る奇習です。その際の衣装にケンダンと呼ばれるわらのミノがありますが、それには彦太郎糯のわらが使われています。彦太郎糯の草丈は、1m40cm~60cmくらいと、一般的な稲よりも50cm以上長く、ミノ作りにはもってこいなのだそうです。もち以外にもさまざまな可能性を秘めた彦太郎糯と青年農家「ままくぅ」のチャレンジは、これからも続きます。
「彦太郎糯」の主な取扱店
有限責任事業組合 ままくぅ
住所:遊佐町白井新田字藤井北33-2
TEL:(0234)71-2313
E-mail:mamaqu@mamaqu.org



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