「食材」庄内のおいしい食材

冬の食材

うるい

山菜の中でもアクがなく、野菜に近い食べ方ができるため、近年首都圏でも冬の野菜として身近な存在になりつつある山菜がうるいです。全国的には、山や草地などの湿り気があるところに自生していて、古くから山菜として食用に利用されていました。
オオバギボウシともいい、山菜の中でもビタミンCが一番多く含まれている栄養価の高い食材です。そのしゃきしゃきとした歯ごたえはもちろん、春の香りが感じられる自然の恵みとして人気があります。軟白栽培された柔らかい若葉は、長ねぎに似た特有のぬめりがあり、生でサラダにしたり、浅漬けにしたり、さっと火を通しておひたしや天ぷらなどでも楽しめます。また、通常の葉もの野菜と同じく、味噌汁の具にしてもおいしいことから、普段使いの野菜としても重宝されています。
庄内では自生していたものを栽培化。秋に畑から掘り上げた株を温かいビニルハウス内で栽培し、雪が降り積もる時期でも収穫されています。庄内には様々なうるいの種類がありますが、なかでも遊佐町産のうるいは他のものと比べて葉のしまりが良く、味が凝縮されていて美味しいと評判です。
遊佐町に住む池田正和さんは、そんなおいしいうるいをつくっている若き生産者のひとりです。池田さんがうるい栽培を始めた理由は、もともとうるい栽培の先駆者であるお父さんが、農閑期の冬でも取り組める作物として導入を始めたことに由来します。幼い頃からその姿を見て育った池田さんは次第にうるいの魅力に惹かれ、うるいについてのありとあらゆる知識を勉強し、今ではすっかりうるい博士になりました。
遊佐町のうるいはじっくり時間をかけて栽培されます。株分けしてから普通は1年のところを、2年後に掘り上げてハウスで促成されます。長い時間をかけて育てられた株はぱんぱんに太って、そこから顔を出したうるいは1年ものの細いものよりもおいしさが満ち溢れています。おいしいうるいをつくる秘訣は、たくさんの栄養を蓄える太った良い株を育てることなのだそうです。遊佐産のものは通常より長く畑に植えるため、うるいを植える前の畑の土づくりには気を遣います。
うるい
うるいの畑
うるいの株

うるいの株

池田正和さん

池田正和さん

どのようにしたら、健全に大きな株が育つのか?どのようにしたら、何年も植え付けられる栄養豊富な畑をつくることができるのか?など、試行錯誤を繰り返しながら高品質なものを生産できるように努力しています。また、山菜は本来無農薬栽培のため、栽培ものでもほとんど農薬に頼らずに手をかけることで対応しています。草刈りなどの労力はかかりますが、おいしいうるいを提供するための努力は惜しみません。
池田さんは首都圏におけるうるいの知名度の低さも魅力と感じています。これまでと違った新しい料理を考えてレシピを作ったり、首都圏でのイベントへの参加など、積極的な売り込みを行い、販路拡大のための戦略をたてることも楽しみのひとつなのだそうです。このような意欲あふれる若手生産者がいる庄内では、これからもこだわり特産物の生産が続けられることでしょう。
「うるい」の主な取扱店
ひまわりの会(道の駅ふらっと青果物直売所)
住所:遊佐町菅里字菅野308-1
TEL:(0234)71-7222
営業時間:9:00~17:30
定休日:元旦

※庄内の各産直、スーパー、小売店で販売しています。

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