「ひと」Cheer!! 〜 「食の都庄内」を舞台に輝く人からあなたに〜

<Cheer !!〜「食の都庄内」を舞台に輝く人からあなたに〜>

vol.6 - Sunny Place 相馬 菜穂子さん

「食の都庄内」を支える若手料理人やスタッフ、生産者たちの人となりや想いを掘り下げ、庄内の“食”に関わる仕事の魅力をお伝えするシリーズ、<Cheer !!(チアー)〜「食の都庄内」を舞台に輝く人からあなたに〜>。
第六弾の今回お話を伺うのは、三川町にて「心と体にやさしいおやつ Sunny Place(サニープレイス)」を営む相馬菜穂子さんです。
 
Sunny Placeが提供するのは、地域の恵みを活かした「食事に代わるおやつ」。庄内産の米粉や小麦粉などの食材や鳥海山の氷河水、庄内浜の塩、農協牛乳など地元山形・庄内をメインに使用して作られた無添加のおやつは、小さなお子さんがいるご家庭から時間が不規則な仕事をされている方まで、老若男女問わず愛されています。
 
今回はそんな相馬さんに、起業までの道のり、商品に込める想いについてお話を伺いました。
 
※2022年6月に取材した内容となります。
恵まれた新鮮な農産物が身近にあった
相馬さんは1985年(昭和60年)、旧藤島町(現鶴岡市藤島地区)生まれ。
農業を営む母方の祖父母のもと、母と妹弟と6人暮らし。朝早くから夜遅くまで、農作業や出荷などを、汗を流して働く姿を見て育った。子ども心に時には寂しさもあったが、地元の食材を使った手作りの美味しい料理を家族みんなで囲む食卓は幸せな時間だった。
 
中学校3年生の頃、現在の夫と出会い、すぐにお付き合いがスタート。以来、将来の夢は“お嫁さんになること”。美味しい料理を作って食べてもらいたいという一心から、鶴岡北高校を経て酒田調理師専門学校へと進学、調理師免許を取得した。卒業後は人の日常に寄り添った食事に携わりたいと、県立の障がい者支援施設に調理師として就職。3年間働いた後、藤島・三川町にある特別養護老人施設の調理師として、“命を繋ぐ食事”をつくることに励んだ。
21歳で結婚し、その後二児の母に。三川町に新居を構え、子育てと家事、仕事に追われつつも充実した日々を過ごしていた。
 
悲しい別れから新たなスタートラインへ
大きな転機となったのは、30歳の時突如訪れた実の父の死だった。父は一人暮らしだったため、相馬さんは時おり顔を見せに行ってはご飯を作ったりしていた。しかし、父は病でこの世を去ったのだった。
                           
「自分は調理師として、何かもっとできることがあったんじゃないか。」そう後悔する中で、地域の食材を活かした、“大切な人(家族)へ食べさせたいと思える食事”をつくりたいという想いが芽生える。
ちょうどその頃、相馬さんは仕事や子どもの学校行事や役員などに忙しい毎日を送っていたこともあり、「もっと家庭の時間を大切にしたい、働くお母さんに役立つおやつ(軽食)を作りたい」と思い、自宅でできる仕事をやるべきなのではと考えるように。自宅のダイニングスペースを小さな菓子工房へとリフォームし、2018年(平成30年)10月、33歳の誕生日に事業をスタートした。
店名の「Sunny Place」には、相馬さんにとって太陽のような存在である母のことをイメージし、“陽だまりのような暖かい空間をおやつとともに提供したい”という想いを込めたという。その想いのとおり、相馬さんの作るおやつは美味しさだけでなく優しさを感じる味だ。
 
手探りでのスタートだったが、Instagramに毎日投稿するなど地道な努力を続けた結果徐々に口コミが広がり、今では多くのリピーターを抱える人気店へと成長した。
◇“心と体の栄養補給になるおやつ”へのこだわり
「これさえ食べれば栄養補給はOK、となる、“食事に代わるおやつ”を提供したいんです。」
そう語る相馬さんの商品には、お客様のことを考え抜いた上でのこだわりがたくさん詰まっている。
第一に、食材。Sunny Placeでは、ご実家のある藤島地域で弟の冨樫史紀さんが生産する米粉や、月山高原の小麦、鳥海山の水、庄内浜の塩、農協牛乳などの地元山形・庄内の食材を中心に、きび砂糖、てんさい糖、米油など国産・無添加の食材を使用している。
生産者直送という顔の見える安心も美味しさの秘訣だ。
そして、商品のバリエーション。毎日の食卓で食べられる米粉入りもっちり食パン、小麦アレルギーの方でも食べられる米粉100%のバニラシフォン、クッキーやスコーン、スノーボール、パウンドケーキなど、主食からお菓子まで、1人で作っているとは思えないほど幅広い商品を用意している。これならば、普段食の細いお子さん・ご高齢の人でも手にとって口にしたくなるのも納得だ。
パッケージも、商品に合わせてときめくデザインのものを一つ一つ選定。また、忙しい人でも持ち歩いて隙間時間にさっと食べられるよう、小包装での販売にもこだわっている。
特徴的なのはその売り方だ。相馬さんが常に意識しているのは、“必要とする人へ必要とするルートで提供すること”。肉や魚など、普段の食卓で使う食材を購入する際に無添加おやつが一緒に買えたら便利なのではという思いから、スーパーや産直で常設の委託販売を行っているほか、「菜穂子さんとおしゃべりしたい!」というお客さまの為、毎週火・土曜日はイオンモール三川にて     直売店舗も営業する。さらに、全国配送や自宅菓子工房での受け取りも行ったりと、お客様のニーズに合わせて様々な販売方法を用意している。そして、問い合わせがあった際やお客さんが訪れた際は、商品や食材の特徴について一品一品丁寧に説明していく。    
    
これだけのこだわりに溢れているにも関わらず、家庭に寄り添う価格としてできるだけリーズナブルに抑えることを心がけているというから驚きだ。
 
「自分の立場だったら嬉しいこと、人の役に立てることをする。手間暇は惜しまないですね。この原点は、助け合いの農業を築いてきた家族の姿かもしれません。私の使命だと思っています。」
と、相馬さんは笑いながら話してくれた。
素材の美味しさはもちろんだが、商品から溢れる相馬さんの思いやりが一番の隠し味なのかもしれないな、と思う瞬間だった。
目指すは「一家に一菜穂子」
開業してまもなく5年目。最近ではオンライン販売やふるさと納税などを通して地元だけでなく全国にファンを広げている相馬さんだが、次なる目標は「サブ商品」の強化だ。その一例がホットケーキなどが作れる「米粉ミックス」。米粉やきび砂糖、アルミニウムフリーのベーキングパウダー、庄内浜の塩などを使用し、小麦アレルギーを気にされる方や、離乳食などでも使っていただけるように配慮した。
実際に作ってみると、卵1個に合う分量で作られているので、粉の量を図ったりする手間も必要なくとても簡単に美味しいホットケーキを作ることができた。パッケージに記載のQRコードから公式LINEに飛ぶと米粉ミックスを使ったアレンジレシピなども見ることができ、作り手の気持ちがよく考えられている人気の逸品だ。
 
「Sunny Placeの味は私の歩んだ人生が作りだす味。人を増やして事業を拡大するというよりは、米粉ミックスのような手軽にお家ですぐ作れる商品を増やしたいと思っています。 “一家に1人菜穂子がいる”ような状態にして、忙しいお母さんたちを応援していきたいですね!」
と、今後の展望を活き活きとした表情で話してくれた。
最後に、食に携わる仕事に興味がある方へのメッセージをお願いすると、相馬さんはこう答えた。
「先のことはわからないから、とにかく今この時・環境を大切にしてほしい。過去の積み重ねが今になり、自分の軸になる。それが結果的に自分の強み(未来)になっていくと思います。」
 
【販売情報】
※Sunny Placeは自宅を菓子工房とし、委託販売や直売・配送を行っています。
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Sunny Place公式HP:https://lit.link/sunnyplace705
Sunny Place Instagram:https://www.instagram.com/sunnyplace.yasashii.oyatsu/
公式LINE:ID@sunnyplace705

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