「やまがたフルーツ150周年」企画 「食の都庄内」親善大使インタビュー

大阪を拠点に活躍される古庄シェフは、庄内の食材に深い愛情と知見をお持ちです。
砂丘メロンの思い出や庄内柿の可能性、そして子どもたちに笑顔を届けたさくらんぼのエピソードなど、熱く語ってくださいました。
庄内の人々にとっては「当たり前」のように身近なフルーツ。その価値にあらためて目を向け、全国へ発信していくことの大切さ、そして“ファンづくり”への力強いメッセージは必読です。


※2025年6月に取材した内容です。

vol.1「食の都庄内」親善大使 古庄 浩 シェフ

◇「もっと美味しくなる」フルーツの食べ頃の秘密

質問:今回、「山形フルーツ150周年」ということで、古庄シェフが庄内産フルーツで思い出に残っていることや何か特別に思い出のある食材はありますか。

古庄:たくさんあります。中でもやっぱりメロンは思い出に残っていますね。
初めて食べた砂丘メロンがとっても美味しかったのですが、それを家族にも食べてもらおうと思って大阪の自宅に送ったら、家族から「シャリシャリ」と硬くて美味しくないと言われてしまったのです。
そんなはずはないっと思って生産者の方に聞いたら、メロンは収穫してすぐには食べないのですが、収穫したてのメロンを送ったことが分かったんですね。それで、食べ頃の時期が分かるものをメロンに貼ってくれないかという話をしたんです。
今ではメロンもラフランスも全部食べ頃がわかるものを貼ったりしていますね。
あれが当たり前じゃなかったのです。昔はそのまま売られていました。
食べ頃っていうのを貼ったらもっと売れるよ、売ってくれるようにした方がうちの家族も分かりやすくて良いのだけどな、と伝えたのが、提案になって、今ではほとんどのメロンに食べ頃がいつか分かるものを貼ったりしてくれています。

合わせてラフランスもやっぱり同じだったんですね。
本当は食べ頃だとあんなに美味しいのに、硬いまま食べて美味しくねえぞと言われたところがありました。
メロンもラフランスもそれから当たり前のように、もう商標のように貼って出すようになった。
家族が食べ頃を分からなくて損をしたということ、そしてそれを伝えて食べ頃が分かるものを貼ることが当たり前になったっていうのは、思い出の一つですね。

 

◇古庄シェフが提案する、庄内柿の新たな可能性

古庄:あとは庄内柿ですね。やっぱり庄内柿は何とも言えない美味しさがあると思っています。
しかし、やっぱり大阪などの関西では、硬くて「カシン」って食べる柿が柿だというところがあるんです。
一方で、庄内柿はあのちょっと柔らかいぐらいで食べるのが美味しいじゃないですか。
関西の柿が出るころの終盤、いわばちょっと熟れすぎた時期に差し掛かってくるような時期に庄内柿が来るんですね。だから、柿については関西の旬が終わった時に、庄内の旬が来る状況なんです。
残念なことに、関西近辺で庄内柿があまり評価されないっていうのは、まずは硬さ、それと旬が終わる頃に来るというイメージがあるからですね。

樹上脱渋の場合は、中に黒い成分がバーっと入っている。関西の人はあれが大好きなんです。僕は、これはこの硬さでこの甘さやったら庄内柿、絶対売れるぞって思っていますよ。
もし、なんかの工夫で正月まで保存できるように商品開発して、タイミングをずらして売ったら爆発的に売れる可能性があると思います。


※樹上脱渋…木になっている青い柿の実にアルコールを入れたビニール袋をかぶせ、渋みを抜く方法。

◇子供たちに笑顔を届けた庄内産さくらんぼ

古庄:僕は鶴岡の安野農園とはもう20年近くの付き合いで、毎年さくらんぼを購入して送っていただいています。
去年、僕は子供食堂をやっていて、大阪の子供たちに山形の美味しいサクランボを食べてもらおうと思っていたんです。だけど、昨年はサクランボがあんなに不作だったじゃないですか。中々手に入らなくて。
それで、安野さんに電話して、ごめん、もうどこも手に入らないのだけど、なんとかしてくれって言ったら、子供たちに食べさせてくださいって言ってくださって送っていただきました。とっても喜ばれましたよ。
庄内のさくらんぼは内陸に比べて少ないのでしょうけれど、庄内のさくらんぼを自分の家族や全国の自分の仲間に送って、食べてもらって喜ばれている事が、自慢の種です。

 

◇庄内の「当たり前」を価値に変える!食のファンづくり

古庄:本当に山形の皆さんは、フルーツもそうですが、米であったり野菜であったり、魚も美味しいんですけど、それが当たり前の基準で、その価値に全然気づかない。よそ出て、これってこんな良いとこだったのかって気づくんです。その気付きがファンに繋がると思います。

そして、こんな美味しいものを送ってやりたいなっていうハートが育つんです。例えば、僕みたいに何年かこっちに仕事で来たっていう人たちなどは、ファン獲得の絶好のチャンスですね。その人たちに本当に庄内の美味しいものを美味しい状態で食べてもらって、心を掴まえる。そういうファン作りをしてもらいたいですね。食べ頃の時期とか冷蔵庫での保管の仕方とか、そういった情報をきちんと伝えることを怠らずに、美味しいものを美味しく食べてもらう工夫を頑張ってもらいたいです。ファンになってもらえれば、後はファンの方が勝手にPRしてくれると思います。

 

◇古庄シェフが託す未来への想い

質問:最後に庄内地域の若い料理人の方や生産者の方など食に携わる方たちに向けたメッセージをお願いします。

古庄:食材については生産者のものをそのまま出しても喜ばれる地域ですが、それを本物の料理技術で、もっと美味しくして、庄内地域を盛り上げていって欲しいです。
また、生産者も料理人も今の若い人には自信を持って、それをもっと美味しくするためにどうしたらいいか勉強してもらって、観光などで庄内に来てもらった人たちには本当に美味しいものを食べてもらいたいですね。

 
 
 

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