「食材」庄内のおいしい食材
春の食材
和がらし
わがらし
5月の半ばを過ぎた頃、なんともかわいらしい黄色い花が咲き乱れる一画が目にとまります。
鶴岡市(旧藤島町)三和地区にある月山パイロットファーム(以下月山PF)。ここで、庄内在来の和がらしが栽培されています。
かつては庄内全域でごく普通に栽培されていましたが、現在は月山PFと庄内町跡地区の生産者が細々と栽培を続けているのみになりました。しかも、約1haの大規模栽培でありながら、土づくりにこだわった栽培方法で安全安心な和がらしを栽培しているのは、全国でも月山PFなど数少なくなってしまいました。
「在来作物という貴重なものを残すとか残さないとかではなく、百姓として作れるものは作るのが当たり前と思っている。時代の流れで昔ながらの手作業が敬遠され、機械的な農業、合理的な農業が優先された結果、気付いたら自分たちしか、和がらしを栽培しなくなっていた。」と月山PFの相馬さんはおっしゃっています。
和がらしの栽培は比較的容易なのですが、月山PFでは収穫調整作業をすべて手作業で行っているため大変な手間がかかります。刈取りや脱穀等は暑さ・埃・からしの刺激臭との闘いです。また、天日干しする時期は丁度梅雨と重なるので、雨に濡れて黒ずまないようにするため、空とにらめっこしながら慎重に作業する必要があります。それでも続けるのは、国産の良質ものを作る“百姓のプロフェッショナル”という意識があるからです。
月山PFでは和がらしを搾油せずにそのまま粉にしています。そうすることで、ツンとした辛さだけではなく苦味やえぐみを含めた和がらし本来の風味が味わえます。しかし、ファストフードの味などが好まれる時代になるにつれ、味覚の側面から将来、在来作物が駆逐されてしまうのではないか…という危惧があります。
食文化を支える在来作物。この貴重なひと粒を後世に伝えるには、食べる人を育てる「食育」がカギをにぎっているのかもしれません。
伝統的な在来作物を作り続ける相馬さんの目は「食」の未来を見据えています。
和がらしの種
和がらし(上)と 和がらしを使った漬物(下)
和がらしの畑
「和がらし」の主な取扱店
月山パイロットファーム
住所:鶴岡市三和字堂地60
TEL:(0235)64-4791
FAX:(0235)64-2089
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝日
住所:鶴岡市三和字堂地60
TEL:(0235)64-4791
FAX:(0235)64-2089
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝日