「食材」庄内のおいしい食材

夏の食材

白なす

しろなす

遊佐町には「遊佐のお嬢さん」という面白いネーミングのなすがあります。
その特徴は何と言ってもその外観にあり、雪のような真っ白さが売りの一つです。普通のなすの外観とは明らかに違うため、当初栽培を始めた生産者は驚きと ともに、新鮮な魅力に取りつかれたそうです。普通のなすよりもやや硬いので、和風の煮付けなどよりも、洋風に煮込んだラタトゥーユ、焼き料理のグラタンや ミートソースをかけて焼いたなすミートなどに向くようです。
また、この白なすを栽培している生産者の1人である伊藤大介さんが、親善大使の太田政宏シェフ から作っていただいたもののひとつに、白なすの皮を油で揚げたものがあります。それをアイスクリームにトッピングしたものは、アイスクリームの甘さに変化 を与える絶妙のトッピングだったそうです。
現在、白なすは「道の駅鳥海ふらっと」内にある青果物直売組合の「ひまわりの会」が中心となって栽培されています。
この白なすは日本で品種改良されたも のではないため、様々な栽培上の苦労があります。一つは元気が良すぎるため大きくなり過ぎ、枝を揃えたり、不要な葉を摘除する作業がとても大変です。また、連作を非常に嫌うため、青枯病にかかりやすかったり、栽培期間を通して常に発生する大害虫ハダニの被害が多かったりするため、栽培には細心の注意と生 産者の情熱が不可欠です。
このような大きな手間をかけた箱入り娘ならぬ温室育ちの「遊佐のお嬢さん」は丁寧に袋に詰められて出荷を待ちます。
この遊佐の白なすは、平成9年に道の駅鳥海ふらっとが開設される際、「野菜の産直施設の目玉商品に何かないか?」と当時の普及課担当職員が相談を受け、新庄にある中山間地農業研究部に視察を受けたことから始まります。翌年には「ひまわりの会」で試作し、結果が良好であったため、平成11年に面積が拡大しました。
白なす畑
白ナス
白なすの花
当時日本にも白なすはありましたが、綺麗な白色でなく、一般的ではない丸型のなすであったため、生産者はフランス産のこだわり白なすを栽培し始めました。その成果があって、今ではテレビや地元紙などの各種媒体で、遊佐の夏の味覚としてすっかり定着しています。
栽培に非常に手間がかかるため、生産量をすぐに増やすことは困難ですが、親善大使のシェフらと協力し、白なすに適した料理の提案、積極的な宣伝を行ってゆきたいと生産者の伊藤さんは語ります。情熱ある生産者が栽培を続ける限り、今や遊佐のなすの代名詞ともいえる白なす「遊佐のお嬢さん」が全国区となる日もそう遠くないかもしれません。
「白なす」の主な取扱店
ひまわりの会(道の駅ふらっと青果物直売所)
住所:遊佐町菅里字菅野308-1
TEL:(0234)71-7222
営業時間:9:0017:30
定休日:元旦

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