「食材」庄内のおいしい食材

秋の食材

升田かぶ

ますだかぶ

升田かぶ
鳥海山の南麓、酒田市升田地区(飽海郡八幡町)では焼畑のことをカナと呼びます。かつて、このカナで栽培していたかぶをカナカブと呼んだり、ただカブと呼んだりして、食していました。
升田カブは、直径4cm程度、長さ15~20cm程度。青首ダイコンを小さくしたような形で、根の下部は、やや膨れ、曲がっています。細根が多く、鶴岡市櫛引地区の宝谷かぶにも似ています。どこから来たのか詳しい来歴は不明ですが、その昔、源平合戦に敗れた平家の落人が携えてきたものではないかともいわれ、少なくとも100年以上前から栽培されているようです。
この地区に在住の村上さんは、幼い頃に食べた升田かぶの軟らかく、とろけるような食感と味が忘れられずに栽培を再開しました。昔はよく、鯨汁や兎汁などにして食べていたのだそうです。鯨や兎が珍しいものとなった今では、同じように升田かぶも珍しい存在になり、現在では村上さんを含めて2,3軒の農家で自家用として栽培されるのみとなってしまいました。また、焼畑栽培は大変な労力を必要とするため、本来のカナカブ、升田かぶといえるものはほとんど見られなくなっています。また、地元でさえも認知度が低かったため、平成21年秋から地元の産直施設「たわわ」に出荷してみたものの、ほとんど売れずに廃棄してしまいました。
しかし、食の親善大使である太田政宏シェフらから食材として素晴らしい価値があることを認められたことや、近年、様々なメディアから在来作物が注目されていることを受けて、村上さんは来年こそ焼畑での栽培をと意欲的です。プロのシェフから利用価値を広げ、多くの人たちに知ってもらいたい思いもあります。焼畑での栽培は苦労も多く、年月と共に体の不調も感じられる村上さんにとっては、労力が大きく、大変な作業です。また、現在は個体の形質がばらばらのため、本格的な採種作業が必要です。
升田かぶ
升田かぶの畑
升田かぶの汁
全国には、たくさんの在来作物があったにもかかわらず、その多くがよく売れて、新しい栽培しやすい品種におされて姿を消していきました。今後も、栽培農家の高齢化のための後継者問題や、栽培方法が難しいことなどから、在来作物の減少が心配されています。しかし、村上さんは「升田かぶに限らず、少しでも多くの在来野菜を未来に残していきたい!」と力強く語ってくれました。升田かぶのブランド化はもうすぐです。

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