「食材」庄内のおいしい食材

冬の食材

アサツキ

アサツキ
庄内の冬の味覚として親しまれているアサツキは、この地方に残る貴重な在来作物のひとつ。もともと日本各地に自生しているユリ科ネギ属の多年草で、ネギ、ニラ、ニンニク、ノビルなどの仲間です。生命力が強い植物で、球根なので交雑しにくく、日当たりが良く適度な水に恵まれた土地を好みます。
古くから庄内では雪が吹きすさぶ厳冬期に、すっかり枯れてしまったかに見えるアサツキの地下部分を掘り起こし、貴重なビタミン源として、なかにある黄色い新芽を摘んで食べていましたが、最近では新芽を緑色に育てたものが多く出荷されています。
アサツキは6月に球根を掘り起こし、陰干ししたものを8月頃に植え直します。秋の間に球根が分球し、冬になれば葉は枯れますが、新芽は休眠せずに少しずつ成長していきます。この株をていねいに掘り起こし、根を下にして平箱に並べ、ビニールハウスのなかで18度程度の温度を保ちながら1週間から10日ほど置き、新芽が15~20cmに育ったら根や皮、古い葉などを取り除きます。そして冷たい水できれいに洗って砂を落としたものが、12月から3月までの間、主に東京や近郊の市場へと出荷されていきます。
庄内砂丘に位置する酒田市袖浦地区は、アサツキの栽培が庄内地方でもっとも盛んなところです。この地区の生産者は、昔からそれぞれの家でアサツキの球根を代々受け継ぎ、冬の大切な収入源として育て出荷してきました。
最近ではよりいっそうの消費拡大をめざして、東京都中央卸売市場大田市場にアサツキを持ちこみ、市場関係者への試食会も開催していますが、アサツキを試食した方々からは、独特の甘さのなかに感じる苦味や辛味、しゃきしゃきした食感など、高い評価を得ています。
手間隙かけて育てられたアサツキ本来の味が楽しめる調理法はおひたしで、さっと硬めに茹でるのがコツ。白と緑のコントラストが美しい、早春の訪れを感じさせる一品です。地元での定番は酢味噌和え。茹でたアサツキと湯通ししたイカや、エゴ(海藻のエゴノリを煮溶かして寒天状に固めたもの)などとあわせて酢味噌で和える料理です。
その他にも天ぷら、お吸い物、卵とじ、炒め物など楽しみ方はいろいろありますが、いずれも火を通しすぎないことがおいしく食べる秘訣です。
アサツキの株

アサツキの株

アサツキ
「アサツキ」の主な取扱店
食彩工房 いちご畑
住所:酒田市坂野辺新田字古川19-1
TEL:(0234)41-0283
営業時間:9:00~18:00
定休日:1/1~1/5

※庄内の各産直、スーパー、小売店で販売しています。

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