「食材」庄内のおいしい食材
冬の食材
トラフグ
とらふぐ
トラフグ
下関など西日本で獲れるイメージの強いフグですが、庄内浜でも平成22年ごろから漁獲が増えています。
天然とらふぐは、高値で取引される高級魚です。庄内浜の天然とらふぐは、主にはえなわ漁という漁法で魚体に傷を付けないように丁寧に釣り上げられます。はえなわ漁では、多くても一度に数尾しかかかりません。獲れたトラフグは一尾ずつ、浮袋の空気を抜き、噛み合いを防ぐため、歯をニッパーで切ります。その後もすぐに出荷するのではなく、水槽に移した後に胃に入っているものがなくなり、体力を回復させた後にやっと出荷となります。
安定した漁獲を維持するために、山形県では(公財)山形県水産振興協会に委託し、毎年稚魚の放流を行っています。栽培漁業センターで親魚から採卵し、人口授精を経て、生まれた稚魚をセンターの大きな水槽で大切に育て、8月頃に放流します。(トラフグは2~3年で成魚になります。)食用サイズまで育てることを養殖漁業と言いますが、ある程度育てた魚を放流して自然の力で食用サイズまで育てることを栽培漁業と言い、この場合は自然の海で育つため、庄内産の天然トラフグとして取引されます。
漁師さんたちも自主的に資源を守る取り組みを行っています。一定の大きさに満たないふぐは、放流します。また産卵期には禁漁の期間を設けて、漁の自主規制も行っています。こういった関係者の徹底した品質や資源確保への努力により、至極の美味が水揚げされるのです。
2007年からは地元漁師が山形県トラフグ研究会を結成し、庄内産トラフグの評価向上に取り組んでおり、東京・築地に卸し、高評価を定着させることができました。一方で、庄内ではフグを食べる食文化が浸透しているとは言えず、水揚げされたフグは県外に送られるものも多いのです。
稚魚
放流
てっさ(刺身)
そこで、地元の人たちにも庄内浜の美味しい天然トラフグ料理を楽しんでもらおうと庄内総合支庁が企画し、「食の都庄内天然とらふぐキャンペーン」を開催しています。
庄内にある参加店舗において、てっさ(刺身)や唐揚げ、鍋、雑炊といったフグ料理を、庄内地域のお店では、(例えば東京の料理店などと比べて)お手頃なお値段で、楽しむことができます。