「食材」庄内のおいしい食材

通年の食材

越沢三角そば

こえさわさんかくそば

そばの花
鶴岡市温海地域の山間部、標高200メートルにある越沢(こえさわ)地区は、朝晩の寒暖差があり、そば栽培に適した気候をしています。全世帯でそば打ちが行われるなど、日常的にそばを食べる文化が根付いていました。
越沢地区では、昔から「地そば」と呼ばれ、自家採種による栽培が続けられてきたそばがあります。他品種のそばの栽培が奨励されたことにより、一時期、地そばを栽培する農家はわずか2戸にまで減り、品種が途絶えかけていましたが、平成28年に転機が訪れました。山形大学による調査の結果、地そばが、そばとしては県内3例目の在来作物であることが認定されたのです。

地そばは、その特徴的な実の形状から、「越沢三角そば」と名付けられました(令和2年に商標登録)。
そして、「ここにしかない「集落の宝」を次世代に受け継がないといけない」、「人口減少が進む集落を特産のそばを活用して盛り上げたい」との思いから、地区を挙げて越沢三角そばのブランド化が始まりました。

平成29年には、安定的な生産体制を確立するため、そばの生産組合を発足。
また、販路確保のため、越沢地区の自治会が運営するそば屋「そば処 まやのやかた」で提供するそばは、全量「越沢三角そば」に転換していく方針を決定しました。
自治会において、他のそばの一般的な買取価格よりも高く越沢三角そばを買い取ることで、地区内におけるそばの栽培品種を急転換することに成功しました。
栽培量がふえたことにより、令和元年から「まやのやかた」で提供されるそばは、全て越沢三角そばとなっています。

越沢三角そばは、ナッツのような風味があり、味が濃いのが特徴です。
ここでしか食べられないそばを味わおうと、「まやのやかた」の来訪者数は大幅に増加し、同時にそばの栽培農家数、栽培面積も増えました。
地区住民が講師となる、越沢三角そばのそば打ち体験も人気で、県内外から多くの人が越沢地区を訪れています。

さらには、乾麺やお菓子といったそばを使用した加工品開発や、東京・京都の有名そば店へ玄そばの提供を開始するなど、地区では精力的な活動が進められています。
令和5年には、こうした取組みが評価され、越沢自治会が第62回農林水産祭むらづくり部門において内閣総理大臣賞を受賞しました。一時は途絶えかけた在来作物による地域活性化の取組みは、そのそばとともに、いま全国から大きな関心が向けられています。

越沢三角そばのパンフレット
まやのやかた
「越沢三角そば」が食べられる店
そば処 まやのやかた
住所:山形県鶴岡市越沢蛇喰111-1
電話:0235-47-2430
営業時間:11:00~14:00
営業日:※土曜、日曜、祝日のみ営業
    ※冬季は営業していません
 

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